明通寺−嶺南の田村麻呂伝説−

嶺南の田村麻呂伝説が残る明通寺を訪れました。

2007年07月27日(Fri)
明通寺−嶺南の田村麻呂伝説−
明通寺−嶺南の田村麻呂伝説−福井県小浜市にある真言宗御室派 明通寺。

ここは平安初期の806年、征夷大将軍、坂上田村麻呂が蝦夷征伐において自らが殺した蝦夷やその首長アテルイへの弔いの思いを込めて創建した寺です。 明通寺−嶺南の田村麻呂伝説−およそ1200年の歴史を誇るここ明通寺は、松永川の上流に位置する杉木立に囲まれた古刹でした。
私は明通寺は田村麻呂が縁で来ることができましたが、西国札所でもなく、普通は山奥深すぎて知ることはなかったかと思います。 明通寺−嶺南の田村麻呂伝説−西暦806年の大同元年創建、三年坂が大同三年ですから、田村麻呂が没する弘仁2年の811年まで精力的に各地を巡回したことがうかがい知れます。 明通寺−嶺南の田村麻呂伝説−長い階段をあがり、三門をくぐると苔生したままの庭、古いままの伽藍に度肝を抜かれました。 明通寺−嶺南の田村麻呂伝説−ある人は古色蒼然、この言葉を用いて明通寺を形容していましたが、天橋立の成相寺さんによく似ている印象を持ちました。また福井県の建造物の国宝は二つしかなく、そのいずれもここ明通寺にあるのです。 明通寺−嶺南の田村麻呂伝説−延暦の昔、この山中に一大棡樹(ゆずり木)あり、その下に世人に異なる不思議な老居士が住んでいた。たまたま、坂上田村麿公、、ある夜、霊夢を感じ、老居士の命ずるままに天下泰平、諸人安穏のため、大同元年(806年)このところに堂塔を創建し、居士また棡の木を切って、薬師如来、降三世明王、深沙大将の三体を彫って安置したと伝う。

爾来,1180年、つねに天下万民の祈願所として、法燈たえることなし。現在の堂塔は、中興頼禅法印の再建にかかり、地方にありながら中央のものにも劣らぬ優秀な密教建築である。
明通寺略縁起より引用
明通寺−嶺南の田村麻呂伝説−田村麻呂は自身が捕虜にしたアテルイの助命を朝廷に求めますが、許されずアテルイの首は打たれ晒された。その後806年、田村麻呂は不思議な老居士の命ずるところ、この地に自分が殺した人たちへの弔いの思いを込めて創建した。

たとえフィクションであっても美しき話です。
明通寺−嶺南の田村麻呂伝説−これが山号の由来となった棡木(ゆずり木)です。ゆずり木、譲り木とも深い意味合いの漢字で表されます。 明通寺−嶺南の田村麻呂伝説−国宝の本堂、三重塔が見えてきました。そして寺の僧からお声がかかり、本堂での説教を受けることとなりました。
「己が身に引き比べて、殺すな、殺させるな、殺すことを見逃すな」とはブッダの言葉深し。 明通寺−嶺南の田村麻呂伝説−国宝の明通寺本堂。

鎌倉時代正嘉2年(1258)の棟上げ、文永2年(1265)の供養になる。建立以来の修理については、寛政11年(1799)内陣を拡張したことが墨書で知られています。
密教本堂としての五間堂は、この明通寺の本堂が唯一の例、しかもその歴史は古く、鎌倉時代(1258年)に建てられたもので華美な装飾なく、質実剛健。正面五間・側面六間の入母屋造(いりもやづくり)・桧皮葺(ひわだぶき)の建物。 明通寺−嶺南の田村麻呂伝説−外観前面は五間とも蔀になっていて、軒下の蟇股など和様の建物です。内部は、梁間六間の中央に菱格子欄間と格子戸の間仕切りを入れて、内陣と外陣に分けていました。苔生した単層入母屋造りの桧皮葺の稜線がなだらかで美しかったです。 明通寺−嶺南の田村麻呂伝説−内陣には、薬師如来坐像を本尊、左脇侍に降三世明王立像、右脇侍に深沙大将を安置、いずれも藤原時代の国重要文化財です。 明通寺−嶺南の田村麻呂伝説−左に見えるも明通寺、国宝三重塔。鎌倉時代(1270年)に建てられたもので、高さは約22メートル。本堂と三重塔が現存する中世密教寺院で、最古の例、 各層回縁付きで、組物は各層ともに三手先であり、細部には大仏様が取り入れられています。 明通寺−嶺南の田村麻呂伝説− 明通寺−嶺南の田村麻呂伝説− 明通寺−嶺南の田村麻呂伝説− 明通寺−嶺南の田村麻呂伝説−

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